eijuは今年お陰様でブランド設立以来27年目を迎えます。長きにわたり知名度を追わず、ただ楽器はこう鳴ってって欲しいこう聞こえるはずだ、ただこの思いだけで音づくりに邁進して参りました。20年以上という 年月が経過し、自分の造って来た音が自分なりに納得のいくものだったのか?
私はいつかこの検証の機会を設けたいと思っておりました。おりしも、一昨年世界がコロナ禍災害に入る前 念願であるこの検証に歩くことが出来ました。これは ベルリン から始まり ライプティヒ、ドレスデン、プラハ、そしてウィーン、と周りほぼ毎日聴いて歩く と言った感動の旅行でした。まずこの旅行で感じたことは音楽との距離感 老若男女を問わず音楽と人が身近な感じで、まるで季節に合った服装を選ぶがごとくコンサートホールに出かけ 楽しむと言った風潮で、いつでも聴けるわといった日常を感じます。。また聴く態度の違いでよく言われるのですがまた、演奏終了時の拍手の仕方、最後に消えていくかすかな音をかみしめからかみしめ緩やかに湧き出るような拍手の鳴り方はやはり音楽に対する受け止めが違う事を身をもって感じさせられます。私が語るのはおこがましい限りではありますが、この感動の受け止め方こそある種 自分の目指して参った方向そのものであります。私はここにこだわり音を創って参りましたが、これにご賛同頂いたから今があると これまでご指示頂きましたファンの皆様へ改めて感謝申し上げる次第です。
、このページに手を入れる事は久々となりますが、申したいことは基本的に何も変わりません。私はこの27年を振り返った時宣伝・販促活動も満足に出来ない弱小の小社がなぜ今生き残ってこられたのか?これは周りの環境に流されず、ぶれることなくここまで来たからと自負しております。
思い起こせば創業当時はアメリカンオーディオが主流で低域のエネルギーが主流に時代、一時 IASCAにお世話になりこの音づくりを学ぶことが出来ました。その後 縁あって当時のアメリカンサウンドの中でもHI-FI志向のXTANTを日本で紹介させていただきました。これはアンプづくりに重要な部分が私も賛同する部分があり、今のアンプ開発に需要な要素を学ばせていただきました。
さて、そのような経緯で今回の鑑賞旅行では、オケ、指揮者、ホールどれをとっても私ごときが評価できるものではありません。私は自分の物差しでテーマを決めて各演奏会に臨みました。
このテーマとは
1、情報量(個々の楽器はその素材感を明確に表現されているか)
2、過度特性(どんな楽器の音が最後に残るか?そしてどこへ消えていくのか?)
3、低域エネルギーの残響(ティンパニーの倍音、大太鼓の残響これらの重なりや分離)
実際にオケを聴いてこんな聴きかたをなさっている方はおられないと思いますが、私は自分の造った製品のチェックや小社システムのお客様のチューニングを
させていただく際はこのテーマで聞いています。
話はずれてしまいますが、驚いたのは学友協会大ホールのウイーンフィルのハーモニクス。1st Vc.2nd Vcがそれぞれソロか?と思うくらい同調していてその倍音の美しいこと。また、奥行きも広くないステージでのテンパニと大太鼓の自然ななり方と消え方。私は日本に戻って次回はこの再生に挑もうと決意しました。
これまで 私の私感で述べて参りましたが、私の音づくりの姿勢として感じて頂ければ幸いに存じます。また、大切なことはこの姿勢を今後もぶれず守り続けて行くと心に刻んでおります。 これからも長きにわたりエイジュをご愛用頂ければ幸いです。 この乱文をご高読頂きましてありがとうございました。
エイジュ株式会社
川谷 英壽
フォームの始まり
ウィーン学友協会大ホール
ステージ