eijuは今年お陰様でブランド設立以来24年目を迎えます。長きにわたり知名度を追わず、ただ楽器はこう鳴ってって欲しい .この思いだけで此処まで参りました。 これまでご指示頂きましたファンの皆様へ改めて感謝申し上げる次第です。

 さて、このページに手を入れる事は久々となりますが、申したいことは基本的に何も変わりません。私はこの25年を振り返った時に宣伝・販促活動も出来ない弱小の小社がなぜ今生き残ってこられたのか?これは何といってもお客様の製品への深いご理解があってのことと理解している次第です。

そこで、今回は少し視点を変え、音づくりの担当者である私(個人)として既にエイジュをご採用の皆さまへ、私の音に対する指向をご確認頂けたらと思い本文を記させて頂いた次第です。お客様の目指される方向性に合致していれば幸いに存じます。

eiju製品の企画・開発は現在 私一人です。ここが複数ですと焦点がボケてしまい、個の思いが伝わらないこともあることに憂慮しているからです。 まず、私どもの扱うオーディオ製品は必需品でなく趣味性の強い要素が多分に含まれると考えます。従ってこの可能性(出てくる音)は各々の開発者の個性が大きく出て良いと思っています。むしろ主張として出すべきと思っています。その観点に立ち、私の求める音楽の表現について述べて参りたく思っています。

 私は主にクラシック音楽を中心に、まず、各楽器からの音の出方に重点を置く様にしてます。これで、主に楽器の素材・構造・音圧・指向性・そしてハーモニクスになった時の演奏環境などを確認するようにしています。具体的に言えばバイオリンからコントラバス、形状は同じですが基本音階がそれぞれ2oct程違ってきます、また、音圧が低い楽器はオーケストラなどでは人数が多くなり前列に配置されています。それに対し管楽器群は弦楽器に比べ音圧が高いために弦楽器の奥に配置されます。さらに多彩な表現力を持たせる為、管楽器に木管楽器と金管楽器があり、再生側としてはこの違いを明確に表現しなければなりません。これはは音楽史から紐解いてもロマン派以前の楽器編成は木管・弦楽器を中心とする小編成が主流の様でしたが、以降オーケストラ自身が大編成化する事で音圧が必要になり徐々に様々な金管楽器が採用されるに至っているという経緯・さらに指揮者・演奏者の主張によって変化する場合もあります。さらに金管楽器の中でトランペットとトロンボーンは基本スロートの長さが異なり、もちろんスロートの長さが長いほうが低音が出せる特徴を持ち形状的にはストレートホーンで客席に向かって演奏する為に正相で音が伝わってきます。それに対して、ホルン・チューバは開口が天井や横を向いている。わざと正相を外したレイアウトです。最後に打楽器ですが、大太鼓は構造的にバンドパスの箱となっています。またティンパニーは底面が絞られていまして定在波の出にくい箱作りで音階が可能。これらオーケストラの編成には音楽を奏でるためのノウハウが集約されています。このノウハウの中に我々の音作りのヒントは隠されていると私はいつも思っています。 そこで我々はこれをどう聞けばよいのでしょうか?大切に思うことは、この楽器個々の持つテイストをいかに引き出すかという事です。そこで、業界の言葉になってしまいますが私が思いますに「分解能」「過渡特性」といった要素が重要になってまいります。これは特にロマン派以降の現代音楽までに重要な表現要素でBrucknerの様な楽器が何重にも重なり分厚いハーモニクスを創っている音楽やまたレスピーギの様な管楽器をヒステリックに鳴らす音楽など、これが自然に、躍動感に溢れた表現力でないとオーケストラがくしゃくしゃにした紙くずの様になって萎縮してしまいます。 とにかくここのパートをいかに生々しく躍動感を持った表現を持たせるか?これをテーマにしています。これまでオーケストラの話を続けて参りましたが、少しjazz vocalについても私の目指す表現についてお話させていただきます。まずvocalは真ん中に位置、そして高くと言う話をよく伺いますが、それは基本と思います。さらに私はvocalの基音域を重点に聞きます、声はお腹から出るの原則で、これによって歌手の体型が見えてくるものです。真ん中だけを意識しすぎると鳥のような喉から出る声となってしまう、また音程やPPPFFF によっても上下に変化する様であっては音ではあるかもしれませんが、音楽に至っていない状況と思います。さらにシンバルについても位置手前に来すぎている音をよく聞きますvocalより前にいるシンバルは不自然です。

その様な聞き方をする 私の私感で述べて参りましたが、私の音作りの姿勢として感じて頂ければ幸いに存じます。また、大切なことはこの姿勢を今後も ぶれず守り続けて行くと心に刻んでおります。 これからも長きにわたりエイジュをご愛用頂ければ幸いです。 この長文をご高読頂きましてありがとうございました。

     

 エイジュ株式会社        

    川谷 英壽

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